ぎっくり腰
- 腰が痛くて動けない
- くしゃみをしただけで腰が痛い
- 重い物を持ち上げたら腰に激痛が
- 大事な予定が控えているのに腰が痛くて動けない
- 始めてのギックリ腰でどうしていいのか分からない
ぎっくり腰とは|さとう整骨院・整体院
ぎっくり腰は、モノを持ち上げるなどの不意の動作、特に捻り動作で起こりやすい"急性の腰痛"です。
大抵は激痛で突然起こる事が多いので、海外では"魔女の一撃"という恐ろしい名前がついています。(当院では来院動機TOP3に入る頻度の多い疾患でもあります)
しかし"急性の腰痛"と一言で言っても病態は様々で、大まかには分けると、筋筋膜性、関節性、神経根性、骨粗鬆症性(骨折)などがあげられ、稀に腫瘍など内科的な疾患により起こる場合もあります。
実際の臨床では、筋筋膜性と関節性のものが殆どで、この場合は痛みがかなり強くても回復は早い事が多いですが、神経根性、骨粗鬆症性(骨折)のものは痛みが軽くても比較的時間がかかる傾向にあります。
※ 腫瘍など内科疾患の疑いがある場合には専門の医療機関で検査が必要です。
経験上、痛みと重症度は必ずしも一致しないのでご自身で判断せず出来るだけ早めの受診をお勧めします。
ぎっくり腰の原因|さとう整骨院・整体院
当院では、例え明確に腰に痛みがあっても筋肉や関節だけの問題とは考えません。
結果的に腰痛の症状が出ているだけで、原因としては、内臓や自律神経、生理周期、気候変化なども考慮して総合的に原因を考えて治療を行います。
実際の臨床でも総合的に身体を観ていると、ぎっくり腰と言っても様々な原因がある事を常々実感します。
そういった総合的な考え方から原因を大まかに分類すると次の四つにまとめられます。
① 筋筋膜・関節そのものの障害
これは、オーバーユース(使い過ぎ)、アンダーユース(使わな過ぎ)、マルユース(誤った使い方)によって、筋筋膜や関節を損傷したり、筋の緊張や筋膜の癒着、関節運動の障害などが起こるものです。
② 内臓や自律神経の不調が筋筋膜・関節に影響したもの
食生活の乱れ、睡眠不足、ストレス、女性の場合は生理の影響からもぎっくり腰を発症します。
これは、生活習慣の乱れや生理周期に合わせて内臓機能や自律神経機能に不具合が生じると、内臓反射や自律神経反射などによって、筋肉の異常な緊張が表れるからです。
(例えば食生活が乱れて消化機能が低下すると、腹部の筋肉や脚の前面の筋肉が緊張し易い)
こういった原因は一般的にはあまり知られていない事ですが、実は臨床上かなり多いものだと実感しています。
③ 内臓の異常や自律神経の不調によって痛みを感じるもの
これは内臓や自律神経の不調が腰痛として現れるものです。
他の原因に比べて多くはありませんが、例えば腎結石や膵臓疾患、通風、骨腫瘍などでも腰痛は起こる可能性があります。
実際、当院でのこれまでの臨床経験でも、悪性腫瘍の骨転位によってギックリ腰を発症された方を何人か診させていただきました。
④ 感染症や気候変化の影響を受けて発症するもの
実は意外と多いのが風邪を引くことによって起こるぎっくり腰です。
風邪と言っても呼吸器症状が全く伴わない場合もありますし、風邪の症状と同時に発症すること場合もあります。
ご自身に自覚症状が無くても脈や経穴の反応を診れば風邪を引いているかが分かるので、その場合には特別な経穴を刺激して風邪の治療をすると結果的に腰痛も改善します。
また、気候変化の影響ですが、(風邪も気候変化から起こるのですが、それとは別で、)例えば消化機能が悪い方が身体を冷やすと神経痛が出やすかったりします。
この場合は、身体の冷えを取りつつ、消化機能を改善させるような治療を行います。
(骨の変形やヘルニアだけが神経痛の原因ではありません)
…説明が少し複雑になりましたが、患部だけで考えると、筋筋膜、関節、神経根、骨などがありますし、根本的な原因としては、筋骨格、内臓、自律神経、気候変化など様々な要因から、結果的にぎっくり腰という症状が表れます。
✳︎ 的確に治療する為には治療方法よりも、先ずは病態と原因をしっかり把握する事が最も重要です。
当院の施術・実際の症例|さとう整骨院・整体院
⑴ 検査
ぎっくり腰は症状が強いので、じっくり時間をかけて問診や検査を行うのは困難な場合が多いですが、その場合は的を絞ってしっかりと検査を行います。
特に検査として重要なのは、
-
・機能評価(姿勢と身体の動き)
-
・体表観察(舌診、脈診、腹診、経穴の観察)
です。
⑵ 治療
ぎっくり腰のように痛みが明確な場合は、アキュスコープでの治療が最も効果的です。
アキュスコープによって、患部組織の修復を行いつつ、トリガーポイントや特定の経穴を刺激する事で、筋肉の緊張緩和、自律神経機能の調整、内臓機能の調整まで同時に行っていきます。
⑶ 養生
基本的には急性期2日程安静にし、それ以降は安静にし過ぎず少しずつ動いていった方が回復が早まります。
また、原因によっては入浴や食事内容についても注意が必要です。
【実際の症例】|さとう整骨院・整体院
1、腕(橈骨)の骨折に関連したぎっくり腰
※ 腰を治療しても改善せず、骨折側上肢機能を改善させる事で劇的に改善した症例です。
50代 女性
4日前にバレエ中に後方に転倒し橈骨不全骨折、シーネ固定し来院。
同時に、本人の訴えでは腰を捻ったみたいで骨折と同時に痛くなった。
バレエの本番近く、とりあえず骨折を集中して治療したいという事で骨折の治療を優先。
2週間後、固定除去し、腰痛残るため腰の治療を行う
機能評価:前屈、回旋、後屈、下肢SLR、四頭筋伸張、股関節回旋で動作痛+
舌診:厚黄苔、湿潤、舌下静脈怒張
脈診:滑、有力
体表観察:左環跳虚、左腎兪虚、左天枢虚、脾兪虚、肝兪実
治療:腰〜下肢を中心に治療
⇒ 左環跳・腎兪辺りのアキュスコープ反応点+豊留、築賓、天枢に通電。
症状改善するが、翌日以降症状がぶり返す
再評価
骨折側の上肢挙上、外転、伸展にて疼痛誘発
治療:腰と上肢の筋膜の繋がりを改善
⇒ 築賓、腎兪、環跳、合谷、外関、内関、支正に通電
症状振り返さず治癒
2、生理不順によるぎっくり腰
※ 腰を治療しても改善せず、遅れていた生理を促す事で劇的に改善した症例です。
大学生 女子
一昨日から違和感、昨日から疼痛、今日更に疼痛が酷く。
自宅で毎日筋トレ(体幹トレーニング、ランニングなど)
※ 腰を捻るトレーニングを沢山行っていた?
じっとしていても寝てても痛い。
観察所見
機能評価:前後屈、回旋、側屈、四頭筋ストレッチ、SLR、股関節回旋 pain+
腹診:臍下〜関元の辺に邪
舌診:淡紅、黄苔
脈診:沈、実、※尺位に実を感じる
治療
脈診と腹診で下焦の実が気になるが、本人曰く、結構腰を捻ったせいだと思うとの事、更に生理周期とも関係無いと主張。自発痛もあり、患部に集中して様子を見る。
治療
アキュスコープ:帯域反射、固定端子
治療ポイント:下肢の筋膜リリース+アキュスコープ反応点(督脈上〜腰臀部にかけて)、中臀筋、腎兪
二診目:同月20日
疼痛少し軽減するがまだかなり痛む
脈診、腹診共に下焦の実が気になるので生理周期と被ってないか改めて確認。→実は予定より1週間程遅れているとの事。
※ 手足が凄く冷える→いつも生理前に冷える
治療方針変更(生理が遅れているために不調が出ている事を説明)
→腰部の消炎と合わせて生理を促す
治療
アキュスコープ:帯域反射、固定端子
治療ポイント:腰部反応点、三陰交、レイ溝
※ 三陰交、血海→血の停滞と熱を取る。
※ レイ溝(清利湿熱)→会陰部の湿と熱を取る。
三診目:同月23日
症状大きく改善、日常動作pain-
まだ生理来ず
治療
アキュスコープ:帯域反射、固定端子
治療ポイント:腰部反応点、三陰交、血海
※ 治療後、脈大きく緩んでいる事確認→おそらく近く生理来ると思うと説明
四診目:同月27日
症状ほぼ無し、生理は前回治療から帰宅後すぐ来た。まだハードな運動は控えているとの事で再開してみてもう一度様子見せてほしいと指導
アキュスコープ:帯域反射、固定端子
治療ポイント:腰部反応点、三陰交、梁丘
五診目:翌月2日
平常通り運動再開するも症状感じないため治療終了
3、風邪によって発症したぎっくり腰
※ 寒暖差の影響から冷えて風邪を引きぎっくり腰を発症した典型的なパターンの症例です。
50代 女性
初診日:5月23日
昨日から違和感、今朝になって疼痛悪化、その後、毎日の習慣である朝の入浴(25分湯船にゆっくり浸かる)、そこから更に疼痛悪化。
歩行困難にてタクシーで来院。
一年前からたまにのぼせる。ここ最近ものぼせ+。口渇++
昨日右内くるぶしの辺りに痛み走る。
観察所見
姿勢評価:腰椎生理的前弯↓、全体として右捻れ、左傾き
機能評価:上肢水平外転内転、前後屈、回旋側屈、SLR(下肢挙上)、仰臥位膝屈曲腰部回旋、伏臥位四頭筋伸張にて動作痛++
経穴の反応:脾兪穴と足三里穴の虚顕著
腹診:心下〜胃土の辺りに邪(みぞおち〜へそ上の辺りに強張り)右天枢(お臍の横)と右大巨(お臍の斜め下、大腰筋触診部)に虚
舌診:紅、舌尖に紅点、うっすらと薄黄苔、裂紋、湿潤、胖嫩(舌の輪郭がボヤけている状態)
脈診:浮気味で緊(実)
発症原因
根本的には陰虚(身体の水分が不足している)の体質があり、"のぼせる"のはこのため。1週間程前にのぼせが出たのも暑い日が続き身体が熱せられたためで、その後気温が下がると落ち着いている。
陰虚(水分不足)自体は、生活習慣(長時間の入浴)と年齢に伴うもの(女性は生理周期や妊娠出産、閉経に伴う身体の変化がとても大きい)の両方に原因があると考えられる。
発症原因としては、暑い日が続いた後の急な気温低下、それによって身体表面が冷え固まって起こった症状と考えられます。
証明因子としては、
① 腰に負担のかかった要素なし
② 気象条件(暑い日続く後の急な気温低下)
③ 舌診所見
紅、薄黄苔→熱を反映
舌尖紅点→身体上部方の熱を反映
裂紋→陰虚、つまり体液不足を反映
気候変化の影響の判断材料→湿潤、胖嫩(舌の輪郭がボヤけている状態)
※ この方は陰虚(体液が少ない)なので本来舌の潤いは少ないはず、それなのに湿潤しているという事はポイント。基本的に表証(気候変化による不調)や風邪のひき始めでは舌に大きく変化表れませんが、少し湿潤するという特徴があります。
④ 脈診
浮・緊→傷寒(身体の表面が冷え固まった状態)に現れる代表的な脈状
⑤ 体表観察
脾兪穴と足三里穴の虚顕著→これは消化機能の低下。体液がうまく作り出せず陰虚や虚熱(身体の水分が不足すると熱に弱く火照りやすい)によるのぼせが出る。
⑥腹診
心下〜胃土の辺りに邪(みぞおち〜へそ上の辺りに強張り)右天枢(お臍の横)と右大巨(お臍の斜め下、大腰筋触診部)に虚→傷寒(葛根湯証)の腹証。
天枢の冷え→患側を反映。
大巨の冷→下焦(下半身)の弱り冷えを反映。
⑥ 動作テスト
足臨泣→表証を反映
太衝、血海→体液(血)の不足を反映
大巨→冷えを反映
治療方針
表証を取り除く(血流を良くして表面の冷えを取る)+陰虚を補う(体液の生成を促す)
治療
アキュスコープ:帯域反射30秒、固定通電10分
⇒通電ポイント:右臨泣、左太衝、右大巨、右血海、腰部反応点
治療後の反応
仰臥位腰部回旋、SLR pain↓↓、四頭筋ストレッチ pain↓、上肢水平外転内転 pain-、歩行改善
※ 治療後舌の紅(赤み)が取れ、潤いも少なくなる
養生指導
急性期なので基本的には安静。今晩までは患部の炎症反応(ズキズキする痛みが出る)が残る可能性高いが治癒に必要な身体の反応だと説明。
入浴は控えた方がいいが、汗を流したいならシャワーでサッと流す程度にし(暖める事で炎症を助長する可能性もあるし、これ以上発汗させて水分を失うのは危険)、入浴後は身体を冷やさないように注意。
※ 身体の中で冷えと熱の症状が混在しているため、単純に冷やしたり暖めたりすれば良いわけではない事がポイント。
二診目:5月25日
症状かなり改善。今回は歩いて通院。
観察所見
腹診:心下〜胃土の辺りに邪(みぞおち〜へそ上の辺りに強張り)が緩む
舌診:赤み減少、湿潤と胖嫩とれる
脈診:緊張した脈が緩み、浮いた感じも減少
治療
アキュスコープ:帯域反射30秒、固定通電10分
⇒通電ポイント:右臨泣、左太衝、右申脈、右梁丘、曲池、腰部反応点
日常生活に支障なくなり二診目で治療終了
ぎっくり腰でお悩みの方は、お気軽に「渋谷区 代々木上原 さとう整骨院・整体院」にご相談ください。